【トピックス】2020.6.19 大澤理事長 就任のご挨拶

 この度、6月19日の会員総会でご承認をいただき、日中経済貿易センター第6代理事長に就任致しました。就任に当たりご挨拶申し上げます。

 私は1977年(昭和52年)に当時の松下電器産業株式会社(現、パナソニック株式会社)に入社し、営業、企画、秘書、広報・CSR等の仕事を経験し、最後は2012年から2017年までパナソニックの中国・北東アジア総代表として5年間北京で勤務致しました。中国では、政府関係者や企業パートナーはじめ、多くの方々との交流の機会に恵まれ、40年にわたるパナソニック勤務の最後に中国とのご縁をいただき、何とも幸せな会社人生であったと実感しております。

 今般、縁あって当センターに入局致しました。中国との直接の関わりは北京の5年間だけであり、浅田前理事長はじめ歴代理事長のような中国専門家の経験、知見とは程遠く、足許にも及ばないことは当人が最も自覚をしております。理事長という重要な職責に適しているとは言い難いとは思いますが、勉強しつつ皆様のご指導をいただきながら、誠心誠意取り組んで参りたいと存じております。

 今後、具体的な業務に取り組んでいくに当たり、中国での新型コロナウイルス流行は一定のレベルで抑制されており、市民生活は旧に復しつつあるようです。日本でも様々な防止策を講じながら、徐々に社会・経済活動が再開しつつあります。但し、第二波、第三波の発生は予断を許さず、途上国ではむしろ今後の蔓延が心配されるなど、グローバル経済の本格回復には程遠く、多難な前途が予想されます。

 振り返って見れば2012年に北京に赴任した直後も、日本製品の不買運動等で多難な中国勤務のスタートとなりました。当時の状況からすると少し時間はかかったものの、日中両国の関係は劇的に改善し、今や日中の相互協力関係なくして両国の経済は全く成り立たないと言っても過言ではない環境になっており、隔世の感が致します。

 今回の新型コロナウイルス流行の影響は、日本・中国の二国間問題ではなく、グローバルに先の見通せない長期的な停滞をもたらす可能性があり、前回とは比較にならない困難なスタートになると覚悟しております。しかしながら、「伏すこと久しきは、飛ぶこと必ず高し」とも申します。このような状況だからこそ、「会員の皆様に価値あるサービスを提供し、日中両国の経済・貿易分野の発展に寄与する」という当センターの基本方針に立ち返り、遵守し、愚直に努力を重ね、力を蓄えて参りたいと存じます。

 一方、あらゆる国・地域で、新型コロナ後を想定し、サプライチェーン、BCP、リスクマネジメント等の経済的要素のみならず、人間の働き方や公共サービスのあり方等の社会的要素に至るまで、従来の既成概念の根本的な見直しが不可避となっております。会員の皆様におかれましても、新型コロナ後を視野に入れ、既に事業戦略の見直し等に着手しておられることと拝察致します。

 当センターと致しましても、環境の変化と複雑化を認識し、会員の皆様のニーズやお困りごとを先読みできるようにアンテナの感度を更に磨き、あるべきサービス・オペレーションを追求しながらサービスの質とスピードを高めて参りたいと決意致しております。

 これからも当センターの歴史と伝統という無形資産を活かしながら、会員の皆様からの信頼と満足を唯一の目標、モチベーションとして職員一丸となって努力を続けて参ります。引き続き、倍旧のご支援・ご鞭撻を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。

2020年6月19日
大澤 英俊