【トピックス】2019.5.4-8 「対話内モンゴル」訪中団に参加

関西地区と中国内モンゴル自治区との友好交流・互恵協力訪問団
(対話内モンゴル)に参加

 中国駐大阪総領事館の主催で標記「対話内モンゴル」訪問団が5月4日~8日まで内モンゴル自治区を訪問、当センターから池田専務理事が参加した。
 中国大阪総領事館主催の「対話」イベントは、関西地区と中国各地との交流を推進するもので、昨年7月の「対話遼寧」訪問団の派遣をはじめ、本年1月には大阪で「対話関西」が開催され、中国東北地区から遼寧省、吉林省、黒龍江省、内モンゴル自治区から代表団が来阪し、友好交流や企業展示交流などが進められた。
 「対話内モンゴル」は関西地区と内モンゴル自治区との協力関係を更に深め、各分野における友好交流と互恵関係を積極的に推進するもので、団長の李天然 中国駐大阪総領事、深野弘行大阪商工会議所常議員・中国ビジネス委員会委員長、伊藤忠商事株式会社専務理事・社長特命(関西担当)をはじめ、自治体、友好団体、経済界から合わせて58名が参加した。

5月4日(土) 
●関西空港から内モンゴル自治区フフホト市へ移動 フフホト市泊

5月5日(日)
▼「対話内モンゴル」交流イベント開幕式
 艾麗華 内モンゴル自治区副主席、李天然 中国駐大阪総領事、薛剣 外交部アジア局参事官、深野弘行 大阪商工会議所常議員・伊藤忠商事株式会社専務理事、田中彰寿 日中友好協会関西ブロック長・京都府日中友好協会会長らが挨拶を行い、内モンゴル側から商務庁、教育庁、農業牧業庁、文旅庁、生態環境庁、関西側から泉佐野市、舞鶴港振興会がそれぞれの特徴をPRするプレゼンテーションを行った。

▼「対話内モンゴル」交流イベントマッチング交流会
 内モンゴル側からはフフホト市、バオトウ市、ウランチャブ市、オルドス市、バヤンノール市、包頭鋼鉄集団公司がそれぞれの地域・企業の特徴、産業構造、日本との合作の希望などのプレゼンテーションを行った。関西側からは大阪商工会議所、日本国際貿易促進協会京都総局、日中経済貿易センター、伊藤忠商事、三浦工業、ロート製薬がそれぞれの事業内容と中国との交流、合作について紹介した。
 最後に日中双方の代表により「中日友好内モンゴル宣言」が読み上げられ、採択された。
 また、会場では経済貿易展示が行われ、当センター会員の内モンゴル大盛業カシミア製品有限公司をはじめ約30社がカシミア製品、農業・牧畜製品、食品、化学製品などの展示を行い、日本側参加者にPRを行った。

▼企業訪問・工場見学
 経済・企業代表グループは内蒙古伊利実業集団股份有限公司を訪問、乳製品製造工場と牧場の搾乳場を見学した。
 同公司は1993年設立、乳製品製造業で最大規模、製品の種類が最も多い企業である。世界各地の乳業関連企業と合作を進めている。

▼布小林 内モンゴル自治区主席と訪問団代表者との会見
布小林主席からは「対話内モンゴル訪問団の来訪を歓迎する。内モンゴルは80年代から日本と交流があり、現在、農業、牧畜、化学工業、エネルギー、文化、教育等多方面の合作関係がある。三井物産とカシミア大手のオルドスグループとの合作が大きな成功を収めている。友好交流では遠山正瑛先生をはじめとする、日本の各ボランティア団体が内モンゴルの砂漠で植樹活動を行い、砂漠緑化に努め、中日友好の証となっている。」と述べた。
 内モンゴルからは2018年に日本へ訪問団を送り、2019年1月の大阪で開催された「対話関西」にも参加。友好交流を促進している。
 現在、内モンゴルでは農業、牧畜(特に乳業、カシミヤ)、有機食品、石炭、電力(火力・風力・太陽光)、化学工業、冶金、希土類、ビッグデータ、新材料、新エネルギー、大型設備製造業が発展している。また多様な自然、文化を楽しむ観光業も盛んで、今後も環境保護を優先し、エコな発展を進める。
 内モンゴルは中国の東北振興、西部大開発の二つの振興政策を享受でき、一帯一路政策の中でロシア、モンゴルとの交流に有利な位置にある。
 改めて改革、開放と外資の導入を進める中で日本及び関西地区との交流を発展させたい。
 会見の後、布小林主席主催の歓迎会が開催された。

5月6日(月) 
●フフホト市からウランチャブ市へ高速鉄道で移動。

▼企業訪問・工場見学
内蒙古薯都凱達有限公司を訪問、ジャガイモを原料とする菓子の生産工場を視察。
 同公司は2016年設立、生産量中国一の内モンゴル産のジャガイモを原料とする菓子や各種野菜チップス、大豆を原料とする湯葉などの食品を生産する。製品は日本をはじめ、欧米、アジアなどに輸出もされている。

▼ウランチャブ市主催の歓迎会
費東斌市長からは「ウランチャブ市は内モンゴル自治区で北京から320㎞と最も近く、年内に北京への高速鉄道が開通する。また中央アジア、ヨーロッパ、ロシアとを繋ぐ中欧班列(中国欧州貨物列車)を通じて、一帯一路沿線国との物流が増える。特にロシアやモンゴルの資源がウランチャブ市を経て中国各地へ送られている。農業、牧畜業が盛んであるが機械化、近代化が遅れているので、日本との合作を進めたい。近年中国のIT産業のビッグデータ基地が相次いで設立され、発展している。また、豊かな自然を楽しむビッグ観光に力を入れている。」と述べた。

▼ウランチャブ華為クラウドデータセンター 視察
ウランチャブには華為、アリババ、アップルをはじめとするビッグデータセンターが設立されている。ウランチャブビッグデータ産業発展の優位性について
1. 地理的優位性 内モンゴルで北京に一番近い市である
2. 火力、風力、太陽光の電力供給が豊富である。
3. 電気料金が安く、クラウドコンピューティングプロジェクトは0.26元/kwhの廉価な電気料金を享受できる。
4. ネットワーク環境が優れている。
5. 気候が寒冷で、冷却コストを抑えることができる。
6. 地盤が安定し、地震や地質的災害が少ない。
7. 市政府のクラウドデータ産業に対するサービスが整っている。

▼七蘇木中欧貨物列車物流基地 視察
ウランチャブ市集寧区北部現代物流園保税物流園区内に設立された、中央アジア、ヨーロッパ、ロシアとを繋ぐ中欧班列(中国欧州貨物列車)の物流基地。
ウランチャブから三つのルートで繋がり、中国から日用品、工業製品などが輸出され、ロシアから木材、モンゴルから石炭などが輸入されている。

▼内蒙古海立電子材料有限公司 視察
南通江海電容器股份有限公司日立AIC株式会社香港億威投資有限公司による合弁企業。高性能アルミ電解コンデンサー用の化成電極箔及び電極箔生産設備、関連製品を生産する。現在、内蒙古察哈尓工業園区の集寧区新エネルギー新材料加工基地には同公司をはじめ複数の化成箔生産企業が集積し、発展している。

●ウランチャブ市からバオトウ市へ高速鉄道で移動  バオトウ市泊

5月7日(火)
▼バオトウ市政府主催朝食会
趙江濤市長からは「訪問団を歓迎する。バオトウは鉄鋼、アルミ、設備製造、電力、レアアース、石炭化学工業などの基礎があり、産業が整っている。高品質の鉄鋼、特殊鋼及びそれを利用する機械設備製造の基地である。またレアアースの埋蔵量は世界トップクラスでレアアースの研究、生産及び応用製品の研究開発基地でもある。関西地区は工業、貿易が発展しており、我々の学ぶところが多い。今回の訪問を通じて、バオトウの状況を見ていただき、合作のチャスにつなげてほしい。」と述べた。

▼包鋼グループ希土展覧館
 バオトウ市北部のバヤンオボー鉱区は世界最大級レアアース鉱床があり、蔵量が多く、品位が高く、分布が集中し、採掘がしやすいなど有利な条件が整い、中国国家鉱産物資源の宝である。バオトウにはレアアースに関する生産、研究産業が盛んである

●バオトウ市よりオルドス市へバスで移動

▼エンフベー生態モデル区、内蒙古エンフベー砂漠博物館、エンフベー砂漠科学館を視察
 同区は日本の農学博士遠山正瑛氏が日本沙漠緑化実践協会や多数のボランティアによる植樹により、緑化に成功した地区であり、中国の砂漠緑化モデル地区となり、現在も多くの国内外からのボランティアが植林活動を進めている。
 訪問団は同区内の日中友好の森にて植樹を行った。

▼オルドス市内、チンギス・ハン陵園見学

▼オルドス市政府主催歓迎会
斯琴卒力格市長からは「訪問団の来訪を歓迎。オルドスは日本と良い関係を保ち、特に1980年代からカシミヤにおいて日本との合作が進み、「世界のオルドスカシミヤ」として有名になり、改革開放政策の中で、内モンゴル経済発展の牽引者の役割を果たしている。一帯一路政策ではさらに開放を進め、合作を強化するため、関西地区との科学技術、環境保護などの方面での実務的な合作と友好交流を進めたい。」と述べた。

●オルドス市からフフホト市へ高速鉄道で移動

5月8日(水)
●フフホトより関西空港へ移動帰国。